もくじ
ルイス・ボンファの1963年の名盤
今回紹介するのは、とても古い録音。
1963年のレコードです。
哀愁漂う古き良きラテン、ボサノバの名盤。
ルイス・ボンファ(Luiz Bonfá)は、リオデジャネイロ生まれのブラジル人で、作曲家であり、また優れたギタープレイヤーでもあります。
そしてアントニオ・カルロス・ジョビンらとボサノバの黄金期を作ったひとりです。
ボサノバの良い曲が詰まってます
このアルバムは、ボサノバのリズムに乗せて軽快に奏でられる曲と、切ないメロディの曲がバランスよく配置されています。
アルバム前半はボンファのボーカル入りの曲で、後半はボーカル無しのインスト。
厚すぎないストリングスやフルート、控えめなパーカッション、甘く優しいピアノ、抑えたボーカルと、ボサノバの王道を押さえています。
さらに素晴らしいのは、それぞれの曲の良さです。
優しくて、ちょっと影があって、切ない。
そんな感じの曲が続いていて、ボサノバのイメージそのものみたいな感じです。
Luiz Bonfá / Composer Of Black Orpheus Plays And Sings Bossa Nova
ルイス・ボンファはボサノバ黎明期に活躍したひとり
ルイス・ボンファは、アントニオ・カルロス・ジョビンやジョアン・ジルベルトなどに比べると、日本では知名度がやや低い感じですが、作曲家としても演奏家としても非常に優れたアーティストです。
前半はオープニングの『トゥー・ノート・サンバ』から名曲『カーニヴァルの朝』、『シレンシオ・ド・アモール』まで、ボンファのボーカルが入った曲が続きます。
ボサノバらしく、しっとりしているけど乾いた感じ。
おそらくルイス・ボンファを知らないという方も、『カーニヴァルの朝』を聴いたら「ああこの曲」って思うかもしれません。
とても有名な曲で、アルバム前半のハイライト。
もしかしたら『黒いオルフェ』という映画のタイトルの方で記憶している方もいるかもしれません。
『黒いオルフェ』は1959年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞したフランス映画で、ボンファがサウンドトラックに提供している数曲のうちの一曲が『カーニヴァルの朝』。
ギリシャ神話オルフェウスの舞台を、現代のリオのカーニヴァルに移した悲恋の映画ですね。
この映画でボサノバは世界的に広まり、そして『カーニヴァルの朝』は、ギネスブックに認定されている世界中で最も演奏されているスタンダード10曲にも入る曲となりました。
黒いオルフェ
ボンファ、ギターすごく上手いです
後半(レコードでいうとB面)を聴くと、ボンファがすごくギターが上手いことに気付きます。
メロディを奏でながら、ベース音やコード弾きを同時に織り交ぜていきます。
聴きやすいので流してしまっても大丈夫ですが、実はすごく考えられた緻密な演奏だと思います。
日本でいえば押尾コータローの源流みたいな感じです。
ルイス・ボンファのギターはとても流暢です。
基本的にすごく歯切れ良くリズミカルな演奏なんですが、時にとてもドラマチックなフレーズが入ってきたりします。
そしてとても気持ちの良いコード進行とメロディ。
ギタリストとしても素晴らしいですね。
『カーニヴァルの朝』に合わせるコーヒーは?
こんな素敵な古いレコードに合わせるコーヒーは何がいいでしょう。
例えば、こんな豆は?
ダークチョコレートのようなほろ苦さと甘さのバランスが良い。グレープフルーツのような酸味が続く。
『土居珈琲』