美味しいコーヒーを飲むためのコーヒー豆の選び方
答えは美味しいコーヒー豆を選ぶこと。
コーヒーの美味しさのもっとも重要な要素はコーヒー豆です。
まぁこれは当然と言えば当然ですが、食材が不味ければ、どうやっても美味しい料理にはならないのと同じことです。
そうすると、どうすれば良いコーヒー豆を入手できるのかが問題ですよね。
答えは簡単で、しっかりとしたコーヒーショップ/ロースターから買うということになります。
ただし、いろいろな種類のコーヒー豆があるので、どのお店から買うにしても少し知識が必要です。
この記事ではコーヒー豆を選ぶ際に、知っていると役に立つ豆知識を説明します!
おすすめのコーヒー通販
コーヒー豆の販売の仕方は3つに分かれる
流通しているコーヒー豆の品種は2種類だけ
世界で流通しているコーヒー豆は、アラビカ種とロブスタ種の2種類しかなく、美味しい高級コーヒー豆は全てアラビカ種です。
(リベリカ種というのがもうひとつありますが、流通していません)
アラビカ種の中でも、さらに細かく品種が分かれるのですが、実はそこまでの情報はあまり出てきません。
だからコーヒー豆を買うときに、品種で選ぶということはほとんどないです。
スタバなどに慣れた人からすると、ラテ、エスプレッソ、ドリップコーヒーみたいな分け方が馴染みがあるのかもしれませんね。
でも、自分でハンドドリップでコーヒーを入れる場合には、少し違った分け方で考えることが多いです。
コーヒー豆を買うときに考える種類は3つ
コーヒー豆の販売の仕方には3つの種類があります。
- ストレートコーヒー
- ブレンド
- シングルオリジン
ハンドドリップでコーヒー豆を選ぶ場合は、まず買いたいお店を選んで、その次にこの3つのうちからどれにするかを考えて、その中でさらに好みで選んでいくような感じです。
「ストレートコーヒー」は、あまり聞いたことがない呼び方だと思います。
スタバで言えばローストの中に出てくる「ケニア」「グアテマラ アンティグア」「コロンビア」みたいな、産地で特定されたコーヒーのことです。
「ブレンド」がいちばん馴染み深いですね。
スタバで言えばドリップコーヒーだと思えばいいです。
数種類のコーヒー豆が混ざったコーヒーです。
「シングルオリジン」はさらに聞いたことがないかもしれません。
これは産地だけでなく、農園まで特定されたコーヒー。
あまり街中のコーヒーショップでは見かけないかもしれません。
今まであまり高いコーヒーは買ったことがないという場合は次の順番に試してみるといいと思います。
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1興味のある産地のストレートコーヒー
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2有名なお店のブレンド
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3評価の高い農園のシングルオリジン
だいたいこの順番で値段が上がっていきますので、まずはこんな感じでステップアップするといいのでは。
それでは、それぞれの種類について、もう少し詳しく見てみましょう。
コーヒー豆の種類 【ストレートコーヒー】
一つの産地のコーヒー豆で、ある一定の品質を満たしたコーヒーのこと。
日本人に一番馴染み深い例はジャマイカのブルーマウンテンでしょうか。
実はブルーマウンテン、キリマンジャロ、ハワイコナなどは日本でだけ人気が高い銘柄です。
1970年代の喫茶店ブーム時代に有名になった銘柄が今も続いています。
まずはこの産地でコーヒー豆を選んでみるのが、コーヒー豆の特徴をつかむ上でわかり易いのではないかと思います。
【ストレートコーヒー】定番のコーヒー豆銘柄
ブルーマウンテン
ジャマイカの標高800m〜1200mの特定の地区で栽培され、法律で指定された工場で精製されたコーヒー豆だけがブルーマウンテンを名乗れます。
ブルーマウンテンの7割以上が日本に輸出されているということは、一般的にはあまり知られていないかもしれません。
実はブルーマウンテンがこんなに重宝されているのは日本だけなんですね。
とはいえ、とてもバランスの良いおいいしいコーヒー豆だと思います。
キリマンジャロ
これも日本ではメジャーな銘柄。
元々はアフリカのタンザニア北部のキリマンジャロ山麓で栽培されていたコーヒー豆ですが、現在はタンザニア産のウォッシュトはすべてキリマンジャロを名乗ることができるようになっています。
フルーティで華やかな酸味系のコーヒー豆。
モカ
これも有名な銘柄ですが、モカにも種類があります。
イェメンが産地の「モカ・マタリ」とエチオピアが産地の「モカ・シダモ」「モカ・ハラー」などです。
名前の由来は、イェメンのモカ港から世界に輸出されていたことにあります。
いずれもフルーティな酸味と紅茶を思わせる芳醇な香りが特徴です。
マンデリン
インドネシアのスマトラ島北部で栽培されるアラビカ種のみがマンデリンを名乗れます。
マンデリンと言えば深煎り。
その深い苦味と独特なフレーバーがコーヒー通に人気。
スマトラ式と呼ばれる特殊な精製方法で、特徴的な香りを引き出します。
ハワイコナ
ハワイ島のコナ地区で栽培されるコーヒー豆。
アラビカ種のティピカですが、コストの高い地域で栽培され、生産量も多くないため高価な豆。
コーヒーとは関係なく、ハワイはいいところですよね。
いつかまた行ける日が来て欲しい。。。
ホワイトハウスでも使われるみたい。
【ストレートコーヒー】有名な産地のコーヒー豆
定番銘柄とは少し違って、国で産地を表すタイプです。
これも分かりやすいですよね。
ちなみにコーヒーの生産国のランキングは次の表の通り。
1位のブラジルはやっぱりねという感じですが、もしかしたら2位にベトナムがくるのが意外かもしれませんね。
コーヒー生産量ランキングトップ10 (2019年)
1位 | ブラジル |
2位 | ベトナム |
3位 | コロンビア |
4位 | インドネシア |
5位 | エチオピア |
6位 | ホンジュラス |
7位 | ペルー |
8位 | インド |
9位 | ウガンダ |
10位 | グアテマラ |
(出典:グローバルノート - 国際統計・国別統計専門サイト https://www.globalnote.jp/post-1014.html)
ブラジル
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国。
農園の数も多く、生産量はずっと1位です。
特徴はバランスがよくマイルドな味わい。
ブレンドにもよく使われます。
コロンビア
ブラジルと並ぶ南米産コーヒーの代表格。
マイルドでほどよいコクと甘み。
ブラジルやコロンビアは初心者には最適。
いわゆる美味しいコーヒーです。
グァテマラ
こちらも日本人は好きな人の多い産地。
中米を代表する銘柄。
甘みときれいな酸味。
個人的には南米よりも少しパンチがあるので好みです。
エチオピア
エチオピアは「イルガチェフェ」がとても有名です。
モカ系で香り高く、フルーティな酸味に特徴があります。
中南米系とはまったく違った方向性なので、初めて飲むと「えっ、これコーヒー?」という印象かも。
コーヒー豆の種類 【ブレンド】
ブレンドとは、複数の種類のコーヒー豆を混ぜて作られたコーヒーのことです。
産地による特徴が分かってきたら、今度はブレンドを楽しむのが良いかと思います。
ブレンドの特徴
- 安定した味わい
- 単一のコーヒー豆とは異なる複雑な味わいが作り出せる
ブレンドの中にもさらに特徴があります。
定番銘柄のブレンド
上で書いた通り、コーヒー豆にはいくつか有名な銘柄があります。
ブルーマウンテン、キリマンジャロ、モカなどです。
こうした有名な銘柄のコーヒー豆を中心にして仕立てられたブレンドです。
例えばブルーマウンテン・ブレンドみたいなやつですね。
このネーミングにはルールがあって、そのコーヒー豆が全体の30%以上の割合でないと、その名前を冠することはできません。
有名店の看板ブレンド
ブレンドは大体において、そのお店を代表する看板ブレンドがあったりします。
丸山珈琲の深煎りブレンドであったり、堀口珈琲の#7であったり。
お店の看板だけに、安定していて、かつ深く芳醇な味わいのコーヒーですね。
ブルーボトルコーヒーのベラ・ドノヴァンなんかも個性的だけどバランスの良いブレンドです。
ブレンドを安定させるって大変だと思うんです。
コーヒー豆って自然の農産物なんで、当然同じ品種、同じ農園でも毎年出来は異なってしまいます。
なので、安定したブレンドの味わいにするためには、調整が必須ですよね。
そういう意味ではブレンドは、そのお店の技術を示す商品ですよね。
ブレンドはお店ごとにさまざまな趣向を凝らしたブレンドがあるので、それをひとつずつ賞味していくのはとても面白い楽しみ方だと思います。
コーヒー豆の種類 【シングルオリジン】
単一の農園あるいは生産エリアで作られたコーヒー豆です。
いわばどこそこのワイナリーで作られたワインと同じようなもの。
どの農園で誰が作ったのか、コーヒー豆の品種、精製方法までトレースできるコーヒー豆です。
ストレートコーヒーとシングルオリジンの違いは?
シングルオリジンの方がさらに高品質
ストレートコーヒーは「単一の産地」というだけで、農園までは特定されません。
つまり複数の農園で生産されたコーヒー豆が混じっています。
だからある程度品質は保証されていると言ってもいいですが、シングルオリジンほどではないということ。
シングルオリジンは実は複雑な面白さ
シングルオリジンはブレンドと対極にあるコーヒー豆。
その豆の特徴一発勝負です。
しかしこれが面白い。
実は世界には素晴らしいコーヒー豆を生産する農園がいくつもあります。
単一の豆であっても美味しいコーヒー豆は芳醇で深い味わいと複雑なフレーバーを持っています。
そうしたコーヒー豆との出会いは一期一会。
次はどんな味わいに出会えるのかというブレンドとはまた違った楽しみ方があります。
シングルオリジンは生産者の顔が見える
そしてシングルオリジンのもうひとつの面白さは、生産者の顔が見えるところ。
どんな人がどういう思いを込めてコーヒー豆を作っているのか分かるところです。
データ分析をして土壌改良や肥料を工夫していたり、家族経営でみんなでハンドピックしていたり。
中には一念発起して生産方法を一から見直して数年後にCOE入賞しましたみたいな話に出会えることも。
シングルオリジンは高価ですがその価値あり
シングルオリジンは値段が高いです。
その農園が丹精込めて作り上げた最高級の豆になるので、どうしても高くなってしまいます。
しかし、それだけの価値があるコーヒー豆だということ。
ワインの銘柄を試してみるのと同じように、テイスティング評を参考に色々なコーヒー豆に挑戦してみると新しいコーヒーの世界が広がること間違いなし!
コーヒー趣味を深化させるには必須のジャンルです。
有名な品種のコーヒー「ゲイシャ」
ゲイシャはコーヒー豆の品種のひとつで、かなり希少価値の高い豆。
一般的にもだいぶ広まってきた感じがするゲイシャですが、聞いたことがありますでしょうか?
ゲイシャ種は最近はひとつのブランドみたいになってきていますね。
もともとはパナマのエスメラルダ農園のゲイシャが2004年のBest Of Panamaで1ポンド$21という高値で落札されたことで一躍有名になったもの。
そこからゲイシャ・ブームが始まり現在まで人気種となっています。
希少種であることから値段もかなり高いのですが、その華やかな香りは一度体験してみる価値があると思います。
テイスティング評やチャートを参考にしよう
銘柄や産地、品種などの情報である程度は味わいの傾向はつかめます。
ですが、実際には同じコーヒー豆でも味わいはバラエティに富んでいます。
そこで参考になるのが、お店が示してくれているテイスティング評や味わいの特徴を示すチャートです。
テイスティング評の例
- ベリー系のフルーツのようなジューシーさと赤ワインのようなボディ感
- フローラルな香りと柑橘系のきれいな酸味、クリーンな後口
- ダークチョコレートのような風味と深いコク、まろやかな甘み
チャートの例
テイスティング評やチャートを参考にすると、自分の好みに近いのか判断がしやすくなります。
それに実際に飲むときに、テイスティング評のフレーバーが感じ取れるかを試すのも面白いです!
焙煎による味わいの違い
さて、コーヒー豆の種類の違いが分かってきたと思いますが、コーヒー豆の種類に加えてもうひとつコーヒーの味わいに大きな違いをもたらす要素があります。
それが「焙煎」です。
深煎りとか浅煎りという言葉を聞いたことがあるかもしれません。
コーヒー豆をどれくらい煎ったのか、その度合いを表しています。
コーヒー豆はその焙煎度合いで味わいが変わるのです。
すごく大雑把にいうと、深煎りなほど苦味が増し、浅煎りなほど酸味が前面に出てきます。
ですので、コーヒー豆の種類に加えて、この焙煎度合いを組み合わせて、自分の好きな味わいに近づけていくことになります。
焙煎については、また別の記事でもう少し詳しく説明してみたいと思います。
ここでは苦味系か酸味系かを分ける要素であることを憶えておいてください。
お店による味わいの特徴
基本的にはコーヒー豆の種類と焙煎度合いでかなり味わいの方向性は決まってきますが、実はお店によっても味わいは少しずつ変わります。
なぜかというと、次のような違いがあるからです。
お店によって違いがあります
- 扱うコーヒー豆の品質の差がある
- 焙煎技術には差がある
- 焙煎してから消費者の手元に届くまでの期間の差がある
スーパーマーケットで売っているコーヒーと、街角のコーヒーショップで売っているコーヒーと、有名なコーヒー専門店で売っているコーヒーには、上に書いたような差があるのです。
そして、その差は味わいに大きく反映します。
本当に美味しいコーヒーを体験すると、「ああ、コーヒーってこんなに違いがあるんだ」って分かると思います。
一度分かったら、もう戻れないです。
ちなみに良いお店の特徴です。
- 良いコーヒー豆を選ぶ目利き力が高い
- 焙煎技術が高い
- 鮮度の良いコーヒー豆を届けてくれる
いくつかのお店のコーヒー豆を試してみて、好みのお店を見つけられると、コーヒーライフの楽しさが増すと思います!
コーヒーは粉で買う?それとも豆で買う?
コーヒーは基本的には豆で買いましょう。
コーヒー豆は挽いて粉にすると飛躍的に酸化が進むことになってしまいます。
挽いて粉になったコーヒー豆は、表面積が何百倍、何千倍にもなるので、豆の状態に比べてすごく酸化し易くなってしまうのです。
コーヒーは鮮度が高い方が美味しいです。
ですので、豆の状態で買って早めに飲む方が美味しいですし、飲む直前に挽いて淹れるのが基本です。
家にコーヒーミルがなくて挽けない😭という場合は仕方ないですが。。。
コーヒー豆の保存も重要です
コーヒー豆を購入したら、ちょっと保存にも気を遣うと美味しさが変わってきます。
コーヒー豆を保存するための容器であるキャニスターを買うといいです。
密封度が高くて、できるだけ酸化させないものがベターです。
2週間ぐらいで飲み切ってしまうのであれば、日光が当たらない涼しめのところで常温でもOK。
いっぱい買ってしまったら、開封せずに冷凍しておくのがおすすめ。
一度開封したら早めに飲んでしまうのが基本です。
ちなみに冷凍した豆も解凍は不要です。
出したらすぐに挽いてしまって問題ありません。
まとめ:美味しいコーヒーを飲むためのコーヒー豆の選び方
販売されているコーヒー豆には3つの種類があります。
- ストレートコーヒー
- ブレンド
- シングルオリジン
それぞれ楽しみ方が違うので、ぜひいろいろと試してみてください。
- ストレートコーヒーは産地や銘柄を楽しむ
- ブレンドはお店の技術を楽しむ
- シングルオリジンは優れた農園の努力の結晶を楽しむ
こんな感じでしょうか。
それぞれの違いを分かって楽しめば、あなたのコーヒーライフは一段とレベルアップすること間違いなしです!