【コーヒーの歴史】❶伝説のアラビア半島編 15世紀 コーヒー登場

 

コーヒーの歴史1伝説のアラビア半島編 コーヒーの登場は15世紀半ば

コーヒーの歴史 ❶ 15世紀半ば コーヒーの登場

コーヒーは今では完全に人々の生活に溶け込んでいます。

でも一体いつの頃からコーヒーは一般的に飲まれるようになったのでしょうか?

この記事ではコーヒーが世界に広まっていったその発端の歴史を振り返ってみたいと思います。

それでは舞台はまず15世紀のアラビア半島へ。。。

 

コーヒーがアラビア半島に伝わる

コーヒーの登場 アラビア半島

コーヒーが歴史に現れたのは15世紀半ばのこと。

舞台はアラビア半島。

そうです、あのアラビアンナイトの世界からコーヒーの歴史は始まります。

 

アラビア半島の南端、イエメンにアデンという街があります。

とても古い街で、なんと紀元前から存在するようです。

今でもある街ですが、コーヒーはこのアデンの周辺にまず登場します。

 

さて、このアデンという街を地図で見てみるとこの辺りになります。


イエメンはアフリカ大陸とアラビア半島の間にある紅海にも面していますが、アデンはこの街の名前と同じアデン湾に面する港町です。

アデンはアラビアとインドを結ぶ貿易の拠点でもありました。

そしてパッと見て分かるように、コーヒーの原産国であるエチオピアのすぐ近くなんです。

コーヒーがなぜアデンで登場したのか、なんとなく分かる気がしますね。

モカとアデン

Map Aden and Mocha

地図でみると分かるようにアデンの街は、あのモカに近いんです。

「モカ」って、コーヒーに興味を持った方なら聞いたことのある単語ですよね。

モカは現在はコーヒー豆の銘柄名となっています。

 

でも実は、元々はこの15世紀半ばのイエメンのコーヒーの積出港の名前なんです。

モカが港の名前だったって、案外知らないですよね。

 

モカは現在は港としては閉鎖されていますが、当時はコーヒーが輸出される有名な港だったのです。

紅海をはさんだモカの対岸と言ってもよい位置には、コーヒー原産国であるエチオピアがあります。

アデンやモカにはエチオピアからコーヒーが持ち込まれていたんですね。

イエメンの山岳地帯

そしてモカの東の山岳地帯と、このアデン周辺で最初にコーヒーの商業的な栽培が始まります。

今も昔も同じ、商売になるからという理由が人々の動機になるんですね。

そしてアデンやモカ周辺で栽培されたコーヒー豆はモカから輸出され、コーヒーは文献にも記述されるような存在になったのです。

 

上の写真はイエメンのJabal Bura。

モカの少し北に位置する山岳地帯の街ですが、ユネスコの世界遺産にも登録されている場所です。

コーヒーを植えた段丘に囲まれた珍しい街ですが、この辺りの雰囲気が少し分かりますね。

もっと古い記録がある?

現在、文献で辿れるコーヒーの歴史は15世紀半ばまでになります。

それ以前の記録としては10〜11世紀のイスラムの大医学者ラーゼスとアヴィセンナが「ブンクム」と呼ぶ薬効がある飲み物がコーヒーのことではないかという説がありますが、定かではありません。

 

コーヒー発見の三つの伝説

コーヒー発見伝説

さて、15世紀半ばにアラビア半島に登場したコーヒーですが、そもそもコーヒー自体はどうやって発見されたのでしょうか?

コーヒーの発見については、実はあるのは伝説だけです。

さすがにコーヒーが遥かな昔からありすぎて、はっきりとは分からないんです。

おそらく原産国のエチオピアでは飲用されていたのでしょうけれども、それがいつどのようにしてイスラム世界に伝わったのかは伝説があるのみ。

三つの伝説があります。

皆さんはどれが本当だと思いますか?

① イスラム法律学者シーク・ゲマレディンの伝説

アデンの法律学者だったシーク・ゲマレディンがエチオピアのアビシニア高原を訪れた際にコーヒーのことを知り、アデンに持ち帰って広めたのが始まりというものです。

これはイスラムの文献「アブ・ダル・カディールの写本(1587年)」に書かれていることですが、薬効や覚醒作用について触れられているということで、やはり薬のような扱いをされているようです。

 

② イスラム修道僧シーク・オマルの伝説

エチオピアのモカに住む修道僧であったシーク・オマルは不祥事を起こし、モカ王に追放され、洞窟で草木を食む生活を強いられることになります。

空腹に苛まれていたオマルは、ある時、美しい鳥に導かれて赤い実のなる木を見つけます。

これがコーヒーだったという伝説です。

 

これはいかにも伝説っぽい話ですが、これもやはり「アブ・ダル・カディールの写本」に登場するもので、シーク・オマルは13世紀末頃の修道僧です。

 

③ 山羊飼いカルディの伝説

ある時自分の山羊が放牧地にあった木の赤い実を食べたところ夜通し騒いでしまい、困った山羊飼いが近くの修道院に相談をします。

この木の実を調べてその効能を知った修道院の院長がその実を煮出した液体を修道僧にも飲ませてみると、皆は夜も勤行に励み「眠らない修道院」として有名になりました。

この話は後に脚色され、修道院の場所がエチオピアのアビシニアになったり、山羊飼いの名前がカルディになったりしました。

 

あのカルディのお店の名前の由来はこれですね。

これもいかにも伝説という感じの話ですが、もしかしたら一面の真実を含んでいるのかもしれません。

 

そしてコーヒーはヨーロッパへ

コーヒー発見伝説ですが、僕は個人的にはやっぱりカルディの伝説がお気に入りですね。

でもこの三つの伝説の中で本当っぽいのは、ゲマレディンさんが持ち帰ったという話ですかね。。。

皆さんはどうでしょうか?

 

さて原産国のアフリカはエチオピアからアラビア半島に伝わったコーヒーは、その後ヨーロッパにも広がっていくことになります。

コーヒーがヨーロッパに知られることになるのは、コーヒーとは直接関係のない歴史の大きな動きがあったから。

それはオスマン帝国の領土拡大によって起こるのです。

 

次の【コーヒーの歴史】では、そのあたりの状況を紐解いてみましょう。

 

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