- メキシコ合衆国
- 首都 メキシコシティ
- 面積 196万㎢
- 人口 1億2,929万人(2017年国連)
- スペイン語
- 通貨 ペソ
メキシコのコーヒー豆
メキシコは北米大陸のもっとも南に位置する国。
北側はアメリカ合衆国に、西は太平洋、東はカリブ海にも接しています。
スペイン語を話す国としては一番人口が多く、日本の5倍ほどの広さを持つ大きな国です。
カンクーンなどの有名なビーチリゾートも多く、アメリカからの観光客も多く訪れています。
気候的には熱帯から温帯まで存在し、平均して温暖な気候ですが、山岳地帯の気候は高度によって変化します。
コーヒーの栽培ということでは、主に南部のベラクルス州、プエブラ州、チアパス州などが有名です。
有機栽培など、高品質なコーヒーが生産されています。
メキシコのコーヒーの特徴
メキシコのコーヒーは、フレーバーが柔らかく、口当たりも滑らかと言われています。
メキシコは国土のほぼ中央を走る北回帰線の辺りで温帯と熱帯に分かれています。
国土の大部分が海抜1000m以上の山岳地帯ですが、コーヒー栽培は北回帰線よりも南の温帯から熱帯の高原地帯で行われています。
ちなみにメキシコというとサボテンが生えている荒涼とした風景を思い浮かべる人も多いかもしれません。
この北回帰線より北の地域は乾燥した地域で、中部の高原地帯はまさにそうしたイメージです。
メキシコ産の飲み物といえば、コーヒーよりも世界的に有名なのはお酒のテキーラかもしれませんね。
テキーラは、この中部にあるテキーラ市で作られています。
テキーラの原料はアガヴェ(リュウゼツラン)という多肉植物の一種。
サボテンと一緒にこの辺りに生えてます。
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メキシコのコーヒーの品種
メキシコで栽培されている品種はほとんどがアラビカ種です。
メキシコのコーヒーは高品質なものが多いですが、品種的にはスペシャルティコーヒーとなりうるものしか栽培されていないと思って良いですね。
もちろん高級なものから標準的なものまでいろいろですが。
メキシコのコーヒーの銘柄
メキシコのコーヒーは産地ごとにメジャーな銘柄があります。
メキシコの産地と主要銘柄
チアパス州
- タパチュラ
プエブラ州
- プエブラ
ベラクルス州
- ハラパ
- オリサバ
- コアテペック
メキシコのコーヒーの生産方式
メキシコで生産されるコーヒーの約95%がアラビカ種になります。
そしてそのアラビカ種の生産方式は、ほとんどがウオッシュト(水洗式)です。
一部にナチュラル(非水洗式・自然乾燥式)があります。
メキシコのコーヒーの等級(グレード)
メキシコでは産地の標高により等級が分かれます。
等級 | スクリーンサイズ | ||
輸出用 | SHG(ストリクトリー・ハイ・グロウン) | 標高1700m以上 | AL(アルツーラ・ラバド) |
輸出用 | HG(ハイ・グロウン) | 標高1000-1600m以上 | PL(プリマ・ラバド) |
輸出用 | PW(プライム・ウオッシュト) | 標高700-1000m以上 | BL(ブエン・ラバド) |
国内消費用 | GW(グッド・ウオッシュト) | 標高700m以下 |
産地の標高で等級が決まるのは、メキシコ以外ではグアテマラ、エルサルバドル、コスタリカなどです。
メキシコのコーヒー生産量
メキシコのコーヒー生産量は、世界第10位です。
主要生産国の中ではそんなに多い方ではないですが、それでも60数カ国の生産国の中では何年も安定的にトップ10入りしています。
メキシコでは第2次世界大戦後に農業の機械化が急速に進み、その頃からコーヒーの生産量も倍増しています。
メキシコのコーヒーは、その大多数が隣国のアメリカ合衆国に輸出されています。
そういえば生産量は比較的多いのに、あまり日本国内では見かけない気がしますね。
コーヒー輸出国別総生産量(米国農務省<USDA>統計) 単位:60kg 1,000袋
国名 | 2016/17 | 2017/18 | 2018/19 | 2019/20 | 2020/21 | 2021/22 |
ブラジル | 56,100 | 52,100 | 66,500 | 60,500 | 69,900 | 56,300 |
ベトナム | 26,700 | 29,300 | 30,400 | 31,300 | 29,000 | 30,830 |
コロンビア | 14,600 | 13,825 | 13,870 | 14,100 | 14,300 | 14,100 |
インドネシア | 10,600 | 10,400 | 10,600 | 10,700 | 10,700 | 10,630 |
エチオピア | 6,943 | 7,055 | 7,350 | 7,475 | 7,600 | 7,620 |
ウガンダ | 4,875 | 4,600 | 4,650 | 5,475 | 6,000 | 5,950 |
ホンジュラス | 7,510 | 7,600 | 7,515 | 5,600 | 6,236 | 5,500 |
インド | 5,200 | 5,266 | 5,325 | 4,967 | 5,150 | 5,410 |
ペルー | 4,225 | 4,375 | 4,390 | 3,925 | 3,369 | 3,950 |
メキシコ | 3,300 | 4,000 | 3,550 | 3,700 | 3,530 | 3,590 |
その他 | 20,926 | 21,293 | 22,474 | 21,574 | 20,026 | 20,959 |
合計 | 160,979 | 159,814 | 176,624 | 169,316 | 175,811 | 164,839 |
メキシコのコーヒーの歴史
メキシコも18世紀の終わり頃からコーヒーが栽培されていましたが、輸出国として注目されたのは19世紀後半からです。
1790年、スペイン人によって西インド諸島からメキシコ南部(ベラクルス州)にコーヒーの木が持ち込まれたといわれる。最初の商業的栽培はアントニオ・ゴメスによって1816ないしは18年にコルドバ地域で始められた。
(出典:ウィリアム・H・ユーカーズ ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて )
メキシコのコーヒー農園
メキシコの農園は小規模な農園が多いです。
上の写真は農園ではありません(見りゃ分かるか・・・)。
両方とも古代マヤ文明の遺跡です。
右が世界遺産にもなっているパレンケの遺跡にある「碑文の神殿」と呼ばれるピラミッド。
こちらはコーヒーでも有名なチアパス州にあるんです。
そして左がやはり世界遺産の古代都市エル・タヒンにある「壁龕のピラミッド」。
こちらもコーヒーでも有名なベラクルス州にあります。
メキシコって古代文明の遺跡がすごいんですよね。
なぜかコーヒーで有名な州の辺りに遺跡が多いんです。
メキシコのコーヒー産業
小規模農園が多いとはいえ農園で働く人は多く、100万人以上がコーヒー農園で働いています。
そしてコーヒー関連の仕事に携わっている人の数は300万人以上と言われています。
メキシコのコーヒーの飲み方
メキシコの高品質なスペシャルティコーヒーはやっぱりブラックで飲みたいところですが、実はメキシコ流のコーヒーの飲み方はちょっと違います。
Cafe de Olla 砂糖・シナモン入りの煮出しコーヒー
砂糖、水、シナモンを入れた陶器でお湯を沸騰させ、沸騰したら挽いたコーヒー粉を入れます。
そして5分ほどさらに煮たら出来上がり。
少し冷ましてから茶漉しなどで濾してコーヒー粉が入らないようにして、カップに注ぎます。
お好みでシナモンスティックを添えて出来上がり!
おなじみ、サードウェーブの旗手