- ブラジル連邦共和国
- 首都 ブラジリア
- 面積 851.2万㎢
- 人口 2億930万人(2017年)
- ポルトガル語
- 通貨 レアル
ブラジルのコーヒー豆
ブラジルは南米の中央に位置する大きな国で、赤道をまたがり南北半球に広がっています。
そしてブラジルは国土の半分以上が高原で大部分は熱帯に属しているという国です。
その生産高がコーヒー先物相場に大きな影響を与えるブラジル。
それではコーヒー大国ブラジルのコーヒー豆の特徴を見ていきましょう。
ブラジルのコーヒーの特徴
ブラジルのコーヒーは一言でいえばクセがなくマイルドな味わい。
なのでブレンドには欠かせない豆です。
とはいえ、シングルオリジンの高品質な豆を選べば、甘みと香り、しっかりした酸味を持った深い味わいのコーヒーにも出会えます。
そういう意味では、コーヒーに興味を持った方が最初に高い豆を買う時に良い選択肢の一つです。
失敗は少ないと思います。
スペシャルティコーヒーのコーヒー豆の値段を最初に見た時は、「えっ、高い」って思うんですよね。
そんな時にブラジルの豆は安心です。
ちょっと高くてもスペシャルティコーヒーに踏み出すには、とても良い選択肢です。
スペシャルティコーヒー専門店
ブラジルのコーヒーの品種
ブラジルで栽培されている品種は、かつてはほとんどがアラビカ種でしたが、近年はカネフォラ種の生産量が着実に増加していて、2021〜2022年にはカネフォラ種が38%を占めています。
スペシャルティコーヒーはアラビカ種ですが、その中でもう少し細かい品種で見てみると。。。
ブラジルのアラビカ種の種類は?
- ブルボン
- ボッカツ・アマレロ(イエローブルボン)
- マラゴジッペ
- ムンドノーボ など
カネフォラ種の中では、ブラジル・コニロンがエスピリト・サント州で栽培されています。
ブラジルのコーヒーの銘柄
ブラジルで有名な銘柄といえば「サントス」。
サントスって街の名前なんですが、港がある中規模の都市っていう感じです。
コーヒーの世界ではブラジルのコーヒー積出港として有名です。
管理人のコーヒーマイスターぶちさんも住んでいたブラジル最大の都市サンパウロからも比較的近くです。
何度か行ったことがありますが、車でも行ける距離でしたね。
他には「ミナス」「リオ」「ビクトリア」「バイア」「パラナ」など、生産している州の名前にちなんだものが多いですね。
ブラジルのコーヒーの生産方式
ブラジルのアラビカ種の生産方式は、ナチュラル(非水洗式/自然乾燥)です。
ナチュラルは雨期/乾期といった気候条件にも左右されるので、できる地域は限られています。
ブラジルのコーヒー生産量
最近でこそアジア勢の生産量増大でブラジルの占める割合は下がりましたが、過去には全世界のコーヒー生産量の7割をブラジルが占めていた時代もあります。
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国で、1925〜34年までの10年間を見ると、全世界のコーヒー市場の約70%を占めている。
(出典:「ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて」ウィリアム・H・ユーカーズ)
アジア勢も増えましたが、ブラジルは現在でも2位以下を大きく引き離してコーヒー生産量世界No.1です。
まさにコーヒー王国。
コーヒー輸出国別総生産量(米国農務省<USDA>統計) 単位:60kg 1,000袋
国名 | 2016/17 | 2017/18 | 2018/19 | 2019/20 | 2020/21 | 2021/22 |
ブラジル | 56,100 | 52,100 | 66,500 | 60,500 | 69,900 | 56,300 |
ベトナム | 26,700 | 29,300 | 30,400 | 31,300 | 29,000 | 30,830 |
コロンビア | 14,600 | 13,825 | 13,870 | 14,100 | 14,300 | 14,100 |
インドネシア | 10,600 | 10,400 | 10,600 | 10,700 | 10,700 | 10,630 |
エチオピア | 6,943 | 7,055 | 7,350 | 7,475 | 7,600 | 7,620 |
ウガンダ | 4,875 | 4,600 | 4,650 | 5,475 | 6,000 | 5,950 |
ホンジュラス | 7,510 | 7,600 | 7,515 | 5,600 | 6,236 | 5,500 |
インド | 5,200 | 5,266 | 5,325 | 4,967 | 5,150 | 5,410 |
ペルー | 4,225 | 4,375 | 4,390 | 3,925 | 3,369 | 3,950 |
メキシコ | 3,300 | 4,000 | 3,550 | 3,700 | 3,530 | 3,590 |
その他 | 20,926 | 21,293 | 22,474 | 21,574 | 20,026 | 20,959 |
合計 | 160,979 | 159,814 | 176,624 | 169,316 | 175,811 | 164,839 |
以下の統計を見ると分かるように、近年はカネフォラ種の生産量が着実に伸びています。
アラビカ種の生産量(米国農務省<USDA>統計) 単位:60kg 1,000袋
2016/17 | 2017/18 | 2018/19 | 2019/20 | 2020/21 | 2021/22 |
45,600 | 39,500 | 49,700 | 42,000 | 49,700 | 35,000 |
(出典:一般社団法人全日本コーヒー協会「コーヒー関係統計」2021年)
カネフォラ種の生産量(米国農務省<USDA>統計) 単位:60kg 1,000袋
2016/17 | 2017/18 | 2018/19 | 2019/20 | 2020/21 | 2021/22 |
10,500 | 12,600 | 16,800 | 18,500 | 20,200 | 21,300 |
(出典:一般社団法人全日本コーヒー協会「コーヒー関係統計」2021年)
ブラジルのコーヒーの歴史
ブラジルでコーヒー栽培が始まったのは1727年。
フランシスコ・パリェタによってフランス領ギアナからパラにティピカ種が持ち込まれたのが最初です。
ですが、ティピカ種の栽培は増えず、後から持ち込まれたブルボン種がブラジルでの主要品種となっていきます。
最初はリオ・デ・ジャネイロが生産の中心でしたが、後にサンパウロに移行します。
ここらへんの事情は、実は奴隷制も絡んで、コーヒーの黒歴史があります。。。
ブラジルのコーヒー産業
近年までは南東部の三つの州(サンパウロ、パラナ、ミナス・ジェライス)が主要な栽培地域でした。
これらの州ではテーラ・ロッシャ(赤紫の土の意)と呼ばれる肥沃な土壌があり、コーヒー栽培に適しています。
しかしながらパラナ州では度重なる霜害により大きな被害を受けたことから、生産地域が北上(南半球では北に行くほど暖かいのです)。
現在は、ミナス・ジェライス、ゴイアス、バイアの3州で灌漑設備を持った大規模な農園での生産が拡大しています。
1970年代から、機械化が進んだ大農園での生産が拡大。
コーヒーノキの植え方も、最初から機械が入れるように間隔を大きく空けて植えられます。
ブラジルのコーヒー農園
ポルトガル語でファゼンダと呼ばれる大型の農園で機械化が進んだ近代的な栽培が行われています。
中には農園内に住宅、教会、学校などが整備されている農園もあります。
収穫期には1日で数百人の季節労働者が雇われたりする大農園もあります。
これは国土が広く、高原が多いというブラジルならではの形態ですね。
ちなみにブラジルの面積は日本の23倍以上あります。
車で旅行した時にはその広さを実感しましたね。
とにかくどこまでも道が続いている感じです。
ブラジルのコーヒーの飲み方
ブラジルのコーヒーの飲み方といえば「カフェジーニョ」。
小さめのカップに入れた濃いめのコーヒーに砂糖をたっぷり入れます。
日本のブラックで飲むのとは、かなり違った飲み方です。
管理人のぶちさんは、最初にこの砂糖を入れる飲み方から入ったので、結構大人になるまでコーヒーは砂糖を入れるもんだと思っていました😅
ちなみにスペシャルティコーヒーと呼ばれる高品質のコーヒーは、ブラックで飲んでも甘みを感じます。
完熟したコーヒー豆から作られたコーヒーは、自然と甘みを感じさせるものなんですね。
ブラジル産のスペシャルティコーヒーを買ったら、砂糖は入れずに甘みを感じてみてください!
おなじみ、サードウェーブの旗手