- コロンビア共和国
- 首都 ボゴタ
- 面積 1,139,000㎢
- 人口 4,865万人(2016年世銀)
- スペイン語
- 通貨 コロンビアペソ
コロンビアのコーヒー豆
コロンビアは赤道直下に位置し、太平洋、カリブ海にも接する南米の国です。
赤道直下ではありますが、アンデス山脈があることにより、熱帯、亜熱帯、温帯、寒帯とさまざまな気候が見られます。
アンデスの山地は標高5000mを超えていますが、コロンビアではコーヒー栽培に適した標高で高品質なコーヒーが栽培されています。
ニューヨークのコーヒー商品先物市場では「コロンビア・マイルド」という銘柄がありますが、それがまさにコロンビアのコーヒーの品質を表しているといってよいでしょう。
コロンビアのコーヒーの特徴
コロンビアのコーヒー豆は、大粒で形も色も美しく、そして味わいも優れています。
アンデスの山地で栽培されるコロンビアのコーヒー豆は、コーヒー栽培に最適な気候・地理条件のもとで栽培されています。
コーヒー栽培に適したコロンビア
- 標高 1,000〜2,000m
- 年間と通して安定した気温 18〜24度C
- 年間降水量 2,000〜3,000mm程度
- 火山岩質の肥沃な土壌
コロンビアのコーヒーの品種
コロンビアで栽培されている品種はアラビカ種です。
いわゆるスペシャルティコーヒーはアラビカ種となりますが、コロンビアのコーヒー豆はまさにその代表格の一つといってよいでしょう。
ブルボン種の系統の中でも多いのはカトゥーラです。
また、カネフォラ種との交配種であるバリエダコロンビアも栽培されています。
バリエダコロンビアはハイブリッドティモールとカトゥーラを交配した品種です。
コロンビアのコーヒーの銘柄
コロンビアは特定銘柄というよりは産地で語られることが多いです。
コロンビアの主要なコーヒー産地は?
北部
- マグダレナ
- サンタマルタ
- カルタヘナ
中部
- アンティオキア
- サンタンデール
- クンディナマルカ
- トリマ
東部
- メタ
南部
- ウィラ
- カウカ
- ナリーニョ
コロンビアのコーヒーの生産方式
コロンビアのアラビカ種の生産方式は、ほとんどがウオッシュト(水洗式)です。
コロンビアのウォッシュトのアラビカはとても高い評価を得ており、「コロンビア・マイルド」という先物取引所の銘柄名になっているぐらいです。
コロンビアのコーヒーの等級(グレード)
コロンビアではコーヒー生豆のサイズ(大きさ)により等級が分かれます。
一定の大きさの穴が開けてあるふるい(スクリーン)でコーヒー豆の大きさを選別します。
スクリーンナンバーと呼ばれる数字が大きいほど大粒で、大きな豆ほど高価格で取引されます。
等級 | スクリーンサイズ | ||
輸出用 | エクセルソ・プレミアム | 18 | 厳選品 |
輸出用 | エクセルソ・スプレモ | 17 | 厳選品 |
輸出用 | エクセルソ・エクストラ | 16 | |
輸出用 | エクセルソ・ヨーロッパ | 15 | |
輸出用 | エクセルソUGQ | 14 | 標準品 |
国内消費用 | - | 13以下 |
コーヒー豆のサイズで等級が決まるのは、コロンビア以外ではブラジル、タンザニアなどです。
コロンビアのコーヒー生産量
コロンビアのコーヒー生産量は、ブラジル、ベトナムに次いで世界第3位です。
全然機械化されていないのに世界第3位は、なかなかすごいですよね。
ベトナムはカネフォラ種がメインなので、アラビカ種だけであれば世界第2位となります。
コーヒー輸出国別総生産量(米国農務省<USDA>統計) 単位:60kg 1,000袋
国名 | 2016/17 | 2017/18 | 2018/19 | 2019/20 | 2020/21 | 2021/22 |
ブラジル | 56,100 | 52,100 | 66,500 | 60,500 | 69,900 | 56,300 |
ベトナム | 26,700 | 29,300 | 30,400 | 31,300 | 29,000 | 30,830 |
コロンビア | 14,600 | 13,825 | 13,870 | 14,100 | 14,300 | 14,100 |
インドネシア | 10,600 | 10,400 | 10,600 | 10,700 | 10,700 | 10,630 |
エチオピア | 6,943 | 7,055 | 7,350 | 7,475 | 7,600 | 7,620 |
ウガンダ | 4,875 | 4,600 | 4,650 | 5,475 | 6,000 | 5,950 |
ホンジュラス | 7,510 | 7,600 | 7,515 | 5,600 | 6,236 | 5,500 |
インド | 5,200 | 5,266 | 5,325 | 4,967 | 5,150 | 5,410 |
ペルー | 4,225 | 4,375 | 4,390 | 3,925 | 3,369 | 3,950 |
メキシコ | 3,300 | 4,000 | 3,550 | 3,700 | 3,530 | 3,590 |
その他 | 20,926 | 21,293 | 22,474 | 21,574 | 20,026 | 20,959 |
合計 | 160,979 | 159,814 | 176,624 | 169,316 | 175,811 | 164,839 |
コロンビアのコーヒーの歴史
コロンビアも18世紀後半からコーヒーが栽培されていましたが、当初は細々としたものだったようです。
1874年に鉄道が敷設され太平洋側への輸送ルートが確保されたこと、また、カリブ海への水運ルートが拓かれたことで、一気に生産量を増やしていくことになります。
コロンビアのコーヒーは、一八世紀後半アンティル諸島からベネズエラを通じて伝わったとされる。
(出典:ウィリアム・H・ユーカーズ ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて )
コロンビアのコーヒー農園
コロンビアの農園はほとんどがアンデスの山地の急斜面にあります。
ですので同じ南米でもブラジルとは異なり、機械化が困難で、すべて人手に頼った栽培になっています。
上の写真はコロンビアの農園の写真ですが、こんな感じで山地にあります。
そういえば首都のボゴタも標高2640mにあります。
ボゴタには一度行ったことがありますが、大都市でした。
南米、アンデスといった語感からは都市が想像しにくいかもしれませんが、ボゴタは都市圏の人口が1000万人を超えるメガシティです。
コロンビアのコーヒー産業
国民の10人に1人がコーヒー関係者という国です。
コロンビアの産業において、コーヒーは非常に重要な産物なんですね。
コロンビアにはコロンビア国立コーヒー生産者連合会(FNC)という機関があり、生産者への技術指導、生産地域への福祉活動、コーヒー豆の買い上げ、輸出政策の決定など、コーヒー生産に関する全般を管理しています。
コロンビアではコーヒー豆は、生産者から農業協同組合、仲買人、精選・輸出業者などを通して流通しますが、海外に輸出されるコーヒー豆は必ずFNCによる品質検査が行われます。
輸出業者はコーヒーチェリー(コーヒーの実)から外皮や果肉を取り去ったパーチメントの状態でコーヒー豆を買い付け、脱殻・選別して輸出するのがコロンビアのコーヒー豆の特徴となっています。
コロンビアのコーヒーの飲み方
「マイルド・コーヒー」と呼ばれるコロンビアのコーヒーですが、コーヒーマイスターぶちさんのおすすめの飲み方は以下の2通りになります。
焙煎度合いで分けてみました。
せっかくの高品質なコロンビアの豆なので、ぜひ豆のまま購入して、ハンドドリップを楽しんでください!
焙煎度合い浅めで酸味を楽しむ
ハイローストぐらいの焙煎度合いの場合、酸味や風味特性が分かりやすいです。
酸味をしっかり味わいたいので、湯温はやや高めの92℃でドリップを開始。
最初にコーヒー粉全体にお湯を行き渡らせたら、30秒ほど蒸らします。
そして全体が2分30秒ぐらいにおさまるように、数回に分けてお湯を注ぎます。
やや手早くドリップする感じで!
焙煎度合いやや深めでまろやかに
シティロースト、フルシティローストぐらいの、やや深めな焙煎度合いならば、まさにコロンビアという感じのまろやかで優しい甘みを感じることができるでしょう。
湯温はやや低めの90℃でドリップを開始。
最初にコーヒー粉全体にお湯を行き渡らせたら、30秒ほど蒸らします。
そして全体が3分ぐらいにおさまるように、数回に分けてお湯を注ぎます。
休日の午後の時間にでも、ゆったりと味わいたいですね。
高品質なコーヒーの代表格ですが、ブラジルと同じようなまろやかさがあるかと思えば、酸味がしっかりと出る中米寄りな豆もあったりします。
生産量も多い国ですが、品質も高い。
コロンビアはスペシャルティコーヒー入門編にもいいですし、バリエーションを広げていくのにも最適ですね。
おなじみ、サードウェーブの旗手